不動産投資「底地投資」のメリット・デメリットまとめ
- 2017.10.16
- 不動産投資
不動産投資といえば、一般的に土地や建物を安いときに購入して高くなったら売る、もしくはアパートやマンションの1室を購入して入居者から家賃収入を獲得するといったものがあります。
しかし、不動産の活用方法はこれだけに留まりません。
底地(そこち)投資という種類も存在します。
他の投資方法に比べるとやや地味な印象がありますが、底地投資だからこそ得られるメリットがあるため、侮れない手段です。
しかし、投資の世界ですのでデメリットも当然ながら持っています。
メリットとデメリットを比較して、本当にこの不動産投資を実行すべきか、よく考えるようにしたいところです。
まず、底地というあまり聞き慣れない言葉についてですが、底地は借地権がついている土地の所有権を指す言葉です。
底地権とも呼ばれています。
その土地の所有者・オーナーが底地権を持ちます。
しかし、オーナー自身がこの土地に建物を建築することはなく、他者に貸し出す目的で底地権を持っています。
オーナーの土地を借り受けて、その場所に建物を建築する人物が、借地権を持っていることになります。
つまり、その土地に自分たちの住まいやオフィス、店舗を建てる目的で借りる人物と、貸し出す人物がいる、特殊な土地ということです。
他者に土地を貸し出す、底地投資で得られるメリットは、アパートや賃貸マンションとは違い、空室問題が発生しない部分です。
借地権を持っている人物さえいてくれるなら、賃料が入ってきます。
アパートだとたくさんの空室が発生すると家賃収入が減ってしまいます。
賃貸マンションを1室だけ所有して貸し出すなら底地と同じようなメリットがありそうですが、空室リスクが圧倒的に賃貸マンションのほうが高いのが現状です。
賃貸マンションなら気軽に他の物件に入居者が移動できるため、引っ越した途端に空室状態になります。
一方で、底地の場合だと借地権を持っている人物がその場所に建物を建築しますので、そう簡単に引っ越すことがありません。
建物を取り壊す費用が発生する手間や、立地の良い場所でメリットが大きく感じるなどの理由で、簡単に他の土地に移ろうと考えたりしないからです。
コストがあまりかからないのも、底地を利用するメリットだといえます。
オーナーはあくまでも土地を貸し出すだけです。
そこに建物を建築したいと望む他者が利用しますので、オーナー側が事前に特別な建物を建築する必要がありません。
もしアパート経営で土地活用をしようと望むなら、それなりの大きな建物を用意しなければなりません。
建設会社と面倒な手続きをしながら、建物を建築する手間がなく、気軽に投資ができます。
建物を所有しませんので維持や補修のための費用がかかりません。
建物の屋根が壊れても、壁が崩壊してもそれは建物を所有する借地権を持っている人物が対応することですので、オーナーが修理や補修費用を用意することなどありません。
賃料から差し引かれる費用が少ないため、利益を最大限に享受できる優れた面を持ちます。
費用がかかるとするなら、固定資産税くらいです。
固定資産税に対しても底地はメリットがあります。
土地を貸し出して借地権を持っている人物が住宅を建築すれば、住宅用地に変化します。
住宅用地になると通常の土地だけよりも固定資産税が6分の1に減免されます。
その分だけ支払う固定資産税の負担が少なく済みます。
また、オーナー自身がその土地に自宅を建てるよりも大きな節税になります。
自分たちの住宅だと、土地だけでなく建物にも固定資産税が課税されますが、底地として貸し出せば建物分の固定資産税の負担がなくなります。
建物の固定資産税を支払う義務があるのは借地権を持っている人物です。
多くのメリットがある一方で、デメリットについても理解を深めるようにします。
土地はとても価格が高いものの、賃料による収益はそれほど多くはありません。
アパートは費用も手間もかかるものの、たくさんの入居者が存在するほど掛け算のように家賃収入が増えるのがメリットです。
しかし、土地だけだと建物の有効活用ができないため、土地の賃料しか生まれません。
建物に対する責任を負わずに済むメリットがありますが、逆に言えば建物の権利は借地権を持つ人物が握っていますので、土地を売却したくなっても借地権を持つ人物がいる限りは実現が困難になる、遅くなるデメリットがあります。
相続対策がしにくい特徴を持っています。
建物なら減価償却が可能ですが、土地の場合は評価減が発生せず、相続時に税金が高くなることを考慮したいところです。
メリットは比較的リスクが低い不動産投資ができる部分ですが、貸した相手の建物が土地に建ちますので、投資方法を切り替えたくても実行が難しい問題が発生します。
相続対策が行いにくく、遺族に迷惑をかけてしまうなどのデメリットが気になるといえます。
やや難しい不動産投資ですので、自分たちだけで判断するのではなく、不動産や税金に詳しい専門家の意見を聞いて決断するのがおすすめです。
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