不動産投資「区分投資」のメリット・デメリットまとめ

不動産投資「区分投資」のメリット・デメリットまとめ

不動産は有限のもので、増やすには相当な資金を必要とします。
不動産投資が成功すれば大きな利益を獲得できるものの、莫大な資金力がなければ実行しにくいため、個人ではなかなか参入しにくい難しさを持っています。

しかし、区分投資という不動産投資のやり方に頼れば、憧れの不動産を活用した利益の確保ができる可能性を秘めています。
区分投資には大きなメリットが存在する一方でデメリットもありますから、活用する前に十分な知識を持つ努力が必要だといえます。

まず、区分投資の具体的な仕組みを見ていきます。
区分という言葉からわかるように、1つのものを複数に分けて投資する意味を持っています。

不動産には土地やマンションといったものが存在します。
大きな土地やマンションの建物があったとして、これらを1つの物件として取り扱うのではなく、区分けしてそれぞれを単体の不動産にし、投資を行う方法です。

分かりやすいのが、分譲住宅や分譲マンションの言葉です。
土地やマンションを購入する際にこれらの言葉がよく聞かれますが、元々広大な土地や大きなマンションの建物があり、それを不動産会社や建設会社などが切り分けて、それぞれの個別の物件として顧客に提供するやり方です。

区分を活用した投資方法の最大のメリットは、少ない資金で不動産投資を始められることです。
広い土地やマンションの建物を丸ごと購入するとなれば、数千万円では資金が足りないことが殆どです。

1億円に近い、もしくは軽く超える資金が必要になる場面が多いことから、よほどの富裕層でもない限り、個人では手が届かないのが現実です。
広大な土地やマンションの建物を購入できるほど資金が潤沢な大手企業や、これで事業を成り立たせている不動産会社でなければまず行わない方法です。

しかし、区分すれば当然ながら1区画単位の価格に下がりますので、個人でも購入しやすくなります。
この方法を用いる形で個人に人気なのが、ワンルームマンションを利用した投資方法です。

大きなマンションの1部屋を購入し、入居者を募ります。
ワンルームタイプのマンションであればお手頃な家賃のため入居を希望する人が多く、比較的収入を確保しやすいメリットがあります。

リスク分散がしやすいのもメリットです。
1区画単位で購入すると、必要な資金が少なく済むため、他の物件を購入する余裕が生まれやすくなります。

別のマンションでも1区画を購入し、投資を始めれば別々のマンションの1部屋を所有するオーナーになれます。
片方の需要が伸びない、回転効率が悪い状態になったとしても、もう片方の物件が好調であれば、家賃収入が大幅に下がってしまうリスクを抑えられます。

資金さえ持っていれば更に追加購入してリスク分散ができるという、工夫をしやすいのが優れています。
少ない資金で始められるため、融資の審査に通りやすいメリットがあります。

多くの場合で個人が不動産を購入するなら、銀行で住宅ローンを利用します。
ローンの返済を家賃収入で補いながら返済の負担を減らしつつ、不動産を自分のものにできる、返済が終われば家賃収入の殆どが利益になるといった魅力を持っています。

しかし、住宅ローンは多額の融資を受けるため、他のローンに比べると審査が厳しくなります。
1区画だけの物件であればあまり多額の資金を必要としませんので、住宅ローン審査に比較的通りやすいのがメリットです。

頭金を用意しておけば更に融資を受けやすくなります。
一方のデメリットの部分を見ていくと、空室リスクが高まる心配があります。

最小で1区画のみに頼った家賃収入を目指しますので、100%に近い入居率を維持しなければ家賃収入が途端に途絶えてしまいます。
1棟買いならばたくさんの部屋数がありますから、空室が出ても他の部屋の家賃収入で補えるものの、投資する部屋の数が少ないほど、空室発生時のダメージが大きくなります。

少ない資金で始められる理由から、多くの投資家が参入してきます。
人気の物件に対する競争率が高まリやすく、購入できたとしても実際の価値よりも高く購入することになり、家賃収入とのバランスが崩れて利回りが下がるデメリットがあります。

1棟丸ごと所有する場合と違って、1棟の中に複数のオーナーがいる状態ですから、リフォームや修繕工事をするのに他のオーナーの許可が必要になってきます。
建物全体のメンテナンスにおいても同様です。

メリットとデメリットを見ていくと、不動産投資の割には少ない資金で始められる魅力を持っているものの、必ずしもローリスク・ハイリターンにはならず、十分な利回りの確保が難しくなることや、もっと魅力的な物件に仕上げたくても自由に変更を加えられない制約があるなど、実際に投資を始めてからデメリットに気づく部分が多々あるといえます。

特に1区画だけの投資はリスクが高いため、ある程度の資金を用意して複数の物件を所有し、分散投資をしたいところです。